6264マルマエ【銘柄紹介】
基本情報
企業名 | マルマエ |
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証券コード | 6264 |
株価 (02/05) | 2,452円 |
時価総額 | 304億円 |
ROE(実) | 14.99% |
ROA(実) | 9.68% |
PER(予) | 24.0倍 |
PBR(実) | 4.54倍 |
配当利回り(予) | 1.54% |
自己資本比率 | 64.90% |
配当性向 | 34.00% |
流動比率 | 331.50% |
事業内容
マルマエは、半導体およびFPD(Flat Panel Display)の製造装置に使用される真空チャンバーや電極などの真空部品の受託加工(切削)・製造を行なっています。
少量多品種の一極集中生産を行っており、他社では生産できない部品も多く取り扱っています。
半導体製造装置関連部品のうち71%、FPD製造装置関連部品のうち23%(2021年8月期)が、プラズマにさらされるため、消耗が激しく、数か月ごとに交換の需要がありますので、ストック型ビジネスの側面もあります。
新規装置への需要が無い場合でも消耗品としての交換需要があるため、マルマエの安定的な収入源となっています。
半導体製造装置関連部品
CVD、エッチング、塗布、洗浄等のウエハ処理(前工程)で使用される真空部品を製造しています。
これら部品は真空中で使用されるため、気密性など高精度な仕上がりが要求されます。加えて、高温高電圧のプラズマにもさらされるため、高い耐電圧性能も必要です。
マルマエの半導体製造装置関連部品は一旦、装置に採用されると長期間は変更されずに受注が継続する特徴があります。
FPD製造装置関連部品
液晶及び有機EL等の製造装置及び検査装置を構成する真空部品です。
CVD、スパッタリング、エッチング、アッシング、塗布、貼り合わせ等の液晶パネルの製造工程で使用される真空部品を製造しています。
サイズ感は違いますが、半導体部品と同様にプラズマにさらされる環境で使用されるため、耐電圧や安定性が求められる重要部品です。
事業系統図
Shared Researchのレポートによると、マルマエの顧客の納入先である半導体メーカーの多くは、海外半導体メーカー(アメリカ、台湾、韓国等のロジック、メモリーメーカー)です。
実際、マルマエの大口顧客である東京エレクトロン(売上構成比29.7%(2021年8月期))の海外売上比率は85.9%(2021年3月期)となっています。
東京エレクトロンの大口顧客は、インテル(売上構成比20.4%)、TSMC(売上構成比16.7%)、サムソン電子(売上構成比10.7%)であり、マルマエにとっては最終製品ユーザーとなります。
また、大口顧客の日本発条(売上構成比43.1%(2021年8月期))には、エッチャーやCVD装置等の半導体製造装置に使用される真空部品を提供しています。
通期業績推移
売上高だけでなく、営業利益やEPSも綺麗な右肩上がりに成長しています。
2021年8月期の売上高は前年同期比+20.7%、営業利益は前年同期比+34.7%、.EPSは前年同期比+30.7%と大きく業績を拡大させました。
また、2022年8月期についてはさらなる業績の拡大が見込まれています。
決算説明資料(2021年8月期)によると、2022年8月期ではいずれも前年同期比で、売上高は+34.1%、営業利益は+49.1%、EPSは+37.9%となる見込みです。
ちなみにシリコンサイクル(半導体業界における約4年周期の経済循環)によって、業績が左右される可能性もあります。
四半期業績推移
四半期業績については、2021年4Qから売上高、営業利益が大きく伸びているため、2022年8月期は増収増益で間違いないと思います。
また、マルマエの決算説明資料(2021年10月8日)によると、
半導体分野についてはロジック向けを中心に高水準な市場環境が当面続く、とみている。新たな顧客向けの受注も本格化していることから、同社の2022年8月期も、好調に推移する予想である。
とされていますので、ロジック向けを中心に市場環境も好調との見込みです。
キャッシュフロー推移
キャッシュフロー推移で注目すべきポイントは、2019年までプラスで推移していた財務キャッシュフローが直近ではマイナスに転換していることです。
つまり、資金調達よりも借り入れ金の返済や配当金の支払いが多くなっているため、フリーキャッシュフローも改善されていることが分かります。
また、営業キャッシュフロー:プラス、投資キャッシュフロー:マイナス、財務キャッシュフロー:マイナスということは、新たな資金調達を行わなくても本業での稼ぐ力があり、事業拡大のために必要な投資もできているということが考えられます。
自己資本比率64.9%、ROE14.9%、ROA9.6%と財務体質はかなり健全です。
2019年以降の財務キャッシュフローがマイナスであったことに伴って、有利子負債も2019年以降は減少傾向ですので、借り入れ金の返済を進めているということになります。
1株配当推移
マルマエは過去10年で売上高を約5倍に拡大していることや健全な財務体質を考えると当然のことかもしれませんが、長期的に増配し続けています。
しかしながら、予想配当利回りは1.54%と高配当というわけではありません。ちなみに配当性向は34.0%(2021年8月期)です。
市場動向について
世界半導体市場統計(WSTS)の発表によると、世界の半導体市場動向については
2020年の世界半導体市場は前年比+6.8%であった。新型コロナウィルス感染症(以下COVID-19)拡大に伴う巣籠り需要が牽引し、世界経済の低迷による影響を打ち消した。
2021年は前年比+25.6%と成長が大幅に加速し、市場規模は過去最高を更新すると予測した。
2020年に半導体市場を牽引したプラス要素が継続し、またワクチン接種の進展に伴う経済活動の再開もあり、半導体は幅広く需要が強いためである。
2022年は前年比+8.8%と予測した。足下においても多くの用途で半導体需要が旺盛であり、この傾向が当面は継続するとみた。
とされています。
世界半導体市場の2022年成長率は2021年に比べると鈍化するものの、前年比+8.8%と予測されています。
また、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の発表によると、半導体製造装置の世界販売額は、2020年710億ドル(過去最高)→2021年1030億ドル(+44.7%)→2022年1140億ドル(+10.6%)となる見込みです。
半導体製造装置の世界販売額も2021年に比べると伸び幅は鈍化するものの、前年比+10.6%と予測されています。
今回の内容は以上です。
株式投資の勝率を少しでも上げられるように、これからも有益な情報を発信していきますので、よろしくお願いします。